2016年2月23日火曜日

女性差別撤廃委員会(3)

日本審査


みなさん、イランカラテー!

さっそく今日は、わたしがジュネーブに着いてからの国連での様子をすこ〜しお伝えしたいと思います。

委員会の開会式が行われた15日には、 JNNC(Japan NGO Network for the Cedaw)と日弁連が主催したブライベートミーティングに参加しました。
プライベートミーティングリハーサルの様子

ここではじめて 委員の方々に直接 現状を訴えました。
スピーチでは 「アイヌ女性のための先住民族政策が欠如していること」を冒頭に述べ、昨日ブログで紹介したようなことを英語でお話ししました。

ミーティングで配分された時間はとても短かったですが、終了後も委員の方々はやさしく話を聞いてくれて 「マイノリティが抱える複合差別の大変さはよく分かるわ」とまで話してくれました。


午後には 同じ週に審査を受ける スウェーデン・モンゴル・アイスランドと合同の NGOブリーフィングを傍聴しました。
 そこでの日本に関する主な争点は、やはり 民法上の差別規定・慰安婦問題 でした。
マイノリティに関する話題は 放っておくとすぐに忘れられてしまう問題なので ロビー活動が欠かせない、ということを実感しました…




そして次の日に本審査があり、前日のNGOからの情報提供を前提に 委員と政府との質疑応答が行われました。

会議場の様子

審査が行われた会場には アイヌ民族の伝統衣服をきた私たち、現代の琉装、チマチョゴリを着た在日コリアン女性の方々、もちろん和服の方もいて… 「日本の多文化性」を垣間みましたよ〜^^

マイノリティ女性は積極的にロビー活動を行いました。
私たちアイヌ女性も 審査前や休憩中にロビー活動を行い、「マイノリティ女性として抱える問題先住民族政策としてのアイヌ女性への政策の欠如」を訴えました。
(実はここが明日の記事のポイントになるので 心に留めておいてください(笑))

議長や日本政府代表が座る席

 そのかいもあり、委員からは 10回もマイノリティ女性に関する質問や言及がありました。
日本政府はうまく回答していない点もありましたが、一番気になった部分だけご紹介したいと思います。


それは ガブール議長が 先住民族政策について質問してくれた時の日本政府の回答です。

それは「内閣官房に設置された アイヌ政策推進会議では14名の構成員のうち2名のアイヌ女性を登用しており、アイヌ女性の意見を取り入れながらアイヌ政策を進めています」
といったものでした。

これを聞くと 「えっ ちゃんとやっているじゃないか!」と思いますよね。

日本政府はどの国際舞台でも「アイヌ政策やってますアピール」を欠かしません(笑)

しかし重要なのは そのアイヌ政策推進会議で アイヌ女性の問題が議題として議論されているか です。形だけのジェンダーバランスだけで、「アピール材料」に使われて、がっかりしています。

日本政府は 前日のブログで紹介したような アイヌ女性に関する統計データを持っていません。

しかも 現行アイヌ政策の扇の要は文化施設の建設ですなんですよね?

だんだん みなさんと問題意識が共有できて来ているのではないかと思っていますよ^^

明日は本審査を経て見えた課題とこれからの展望についてお話ししたいと思います。

では スイ ウヌカアンロー!



2016年2月22日月曜日

女性差別撤廃委員会(2)

マイノリティ女性とアイヌ女性


みなさん、イランカラテー

今日は昨日の記事の続きです!
昨日は、これまでの動きをご説明しました。今日は今回のマイノリティ女性の動きについて書いていきたいと思います。

女性差別撤廃委員会による日本審査は2月16日に行われましたが、アイヌ女性は、マイノリティである部落女性・在日コリアン女性と連携し 各省庁への交渉やメディアへの情報提供はその前からはじめていました。

マイノリティ女性に共通する問題は 教育・雇用・女性に対する暴力 の3点で、これらの問題解決のために協働し、下記のエッセンスレポートを委員会に提出しました。

(参照:IMADR HP)

札幌アイヌ協会が報告した アイヌ女性が抱える問題点について説明します。
エッセンスレポートで報告した問題点は4つです。

① 2008年の国会決議等によりアイヌ民族は先住民族として認められ「象徴空間」を核とするアイヌ政策が進められているが、先住民族としてのアイヌ女性への政策を議論する場が未だにないこと。

② 和人と比べ、アイヌ民族全体の進学率や最終学歴は低い状況にあるが、アイヌ女性はさらに深刻な状況にある。また識字率が低く、アンケートに回答した約3割が読み書きに困難を抱えている。(2005年のデータによる)
→子弟への教育支援だけでなく、再教育の場の提供が必要

③ アイヌ女性の半数以上が、個人収入は日本女性の平均を大きく下回る130万円であると回答した。(2005年のデータによる)
→改善するための政策を打ち出すことを求める

④ DV被害を受けても、公的機関に相談に行く人は非常に少なく、診療が必要になる段階まで相談しないアイヌ女性が多い。(2005年のデータによる)
→カウンセラーの研修充実や同胞カウンセラーの育成が必要


② 〜 ④の問題は、実態調査が公的になされないため(それが勧告でも示されているように、問題視しなければならない点です)、札幌アイヌ協会による独自調査により数字が明らかにされたものです。


「うそでしょ?」と思う方もいるでしょう。

土曜日の 自由学校「遊」の集会 民主主義ってなんだ? で、SEALDsの奥田さんは 見えないものは無いものになってしまう ということを言っていました。

 「まさにそうだなぁ」 と感心しました。
マイノリティの問題は主流社会にいては見えてきません。

主流社会の言う「みんな」という視点から欠け落ちているからです。


せめて北海道において「みんな」という感覚が アイヌも和人も含めた視点となるように… そんな未来を望んでいます。
そしてもちろん 日本においてそれが広まることが理想です。


今日は マイノリティ女性とアイヌ女性に共通した問題点をご紹介しました。
明日は審査の様子などなどについて書きたいと思っています!ぜひお楽しみに!笑

では、スイ ウヌカアンロ〜^^

会議場の様子

2016年2月21日日曜日

女性差別撤廃委員会(1)

条約機構とこれまでの勧告


みなさん、イランカラテ〜

久々のブログ更新です!もう 書きたいこと、お伝えしたいことが山積みです。

まず忘れないうちに…1月30日の ペウレアイヌの集い@ピリカコタン での基調講演はなかなかうまくお話しできたのではないかと思っています!なにを話したのかまでブログで紹介はしませんが…
話を聞きに来てくれたウタリから「よく勉強してるね、これからもアイヌのためにがんばってね」「期待してるよ」と声をかけてもらえたことがなによりも嬉しかったです!




さて 今回は 女性差別撤廃委員会 にからめて、アイヌ女性の問題についてご説明したいと思います!
2月13日の北海道新聞さんの朝刊が 写真付き記事で取り上げてくださっていたので、「あぁ なんか聞いたことあるかも…!」という方もいらっしゃるかもしれませんね。


まず 女性差別撤廃委員会 というのは国際条約機構のひとつです。
国際人権条約の1つである 女性差別撤廃条約 が締約国によって、適切に国内履行されているかを審査する役割をもっています。

国連欧州本部



今回の日本審査は、1985年の批准以来5回目。16日に、ジュネーブの国連欧州本部で行われました。主な争点は「民法上の女性差別規定(夫婦同姓・婚外子・再婚禁止期間等)」や「ヘイトスピーチ」「慰安婦問題」それから「複合差別」でした。

今日は アイヌ女性と女性差別撤廃委員会の動きについてご紹介しましょう。

 アイヌ女性の参加は2003年の第3回目の日本審査から2009年そして2016年と今回が3回目です。

はじめて参加した2003年の勧告で「マイノリティ女性の状況についての情報が欠如していることに懸念を表明する」という文言が出ました。

その勧告を受けても、政府はアイヌ女性やその他のマイノリティ女性に関する調査をしませんでしたので 当事者の方々が自ら立ち上がり、時間をかけ丁寧に実態調査を行いました。(その時の報告書がこちら) それが2004-2005年の話です!

 そして2009年の審査においても、マイノリティであることの差別 女性であることで受ける差別、この複合差別の状況をデータを用いて訴えました。

そして出された勧告には再度「複合差別の状況について情報や統計が不十分であることを遺憾に思う」と書かれ、「政策的枠組の策定及び暫定的特別措置の導入を含む有効な措置を講じるよう締約国に要請する」とまで書かれています。


勧告というのは条約履行を促す公的文書のひとつですから、条約と同等の法的拘束力を有すると認められています。

しかしながら、これらの勧告は未だに達成されていません。条約軽視とおもわれても仕方ありませんよね…。

まずは今日はここまで!
また明日お会いしましょう^^スイ ウヌカアンロー!

レマン湖の様子

2016年2月10日水曜日