2015年7月28日火曜日

AIPFF映画ミーティング告知

第10回 映画ミーティング


みなさん、イランカラテ〜

5名以上の参加希望者がいなければ開催しませんとお伝えしていた映画ミーティングですが… 有り難いことに「やろう!」と言ってくださった方がいますので開催いたします^^

日時は 7月31日(金) 18:30〜

W棟の教室がとれず 場所はいつもとは違うのですが、開催場所はこちらの都合上 メールを頂いた方だけにお知らせしようと思っています。
もし「参加したい!」というかたがいましたら ainu_ips_filmfest@yahoo.co.jp までご連絡ください^^

観賞予定作品は 氷海の伝説
作品情報 氷海の伝説

北アメリカの先住民族イヌイットにつたわる伝承文化を、ほぼイヌイットの人たちの力で映像化した長編作品です!


先住民族の映画ってふだんはそんなにみる機会ないですよね?笑
ぜひこの機会に映画ミーティングに足を運んでみてはいかがでしょう!

ではでは スイ ウヌカアンロー!

2015年7月26日日曜日

SEARCH FOR YOUR ROOTS PROJECT


藤島 藤子さん(仮名)の場合

みなさん、イランカラテー!

以前お話ししていた SEARCH FOR YOUR ROOTS PROJECT のご報告がたいへん遅くなってしまい… 「どうなったの?」「大丈夫なの?」とそわそわしていた方もいらっしゃるのではないでしょうか!(笑)

どんな話だったか忘れてしまったよ、という方のために概要を少しだけ…
SEARCH FOR YOUR ROOTS PROJECT というのは「もしかしたら自分もアイヌの系譜を持っているかもしれない!自分のルーツも探ってみたい!」と声をあげてくれた北海道出身の方と一緒にルーツを探すプロジェクトでございます。

伝統文化ももちろん大切ですが「華道や茶道のような和風の伝統文化を継承するひとだけが日本人ではない」のと同様に「アイヌの伝統文化を継承してなければアイヌじゃない」という固定観念を払拭し、先住民族概念の普及・啓発を行うのが電影社としてのモットーですので
どんなことがきっかけでも問題意識をもって「自身のルーツ」や「北海道史の見方」に気付かせるこのプロジェクトは問題ないだろうと思っています


前回のブログは こちら です^^


さてさて、では6月中旬に藤子さんとともにルーツを探す旅に行ってきましたので
その一部始終をごらん頂きましょう!

まず藤子さんは札幌市在住ですので、市内の区役所の戸籍住民課にいきます
藤子さんの両親のお名前は フジ江さん(仮名)、藤太郎さん(仮名)で、アイヌの系譜をもっているか確かめるには母方と父方、双方を確かめることが出来ます

今回は藤子さんの希望で、離婚して音信不通の父方のルーツを辿ることにしました(笑)
ルーツを辿るこの旅では改正原戸籍という古い戸籍をとります。1通750円
そして受付のお姉さんが改正原戸籍をくれます

すると…

おおお!!!???

藤子さんの父である藤太郎の両親、つまり藤子さんの祖父母はS町出身でした…!!!藤子さんがアイヌの系譜をもっている可能性は十分ありますねえ
区役所のお姉さんが郵送での戸籍取り寄せをお勧めするなか、藤子さんとわたしはちょっと興奮しながら足早にS町役場へと向かいました〜!

じゃん!S町役場

ここでは藤子さんの祖父藤一さんの改正原戸籍を申請します、ここでも1通750円


この戸籍から 祖父の藤一さんは岩手県出身ということが分かりました… あぁ、
うーん、しかしまだ希望は捨てられません。
では、つぎに祖母の藤乃さんの父 長松さんの戸籍を… 1通750円


おっ 長松さんの奥さん、チヨノさんは秋田県出身だそうですが
梁田長松さんの父 長蔵さん の本籍が T町(現在T市) にあることがわかりました!
ここでも戸籍の郵送取り寄せをおすすめされましたが、若干の期待を胸にT市役所へと急ぎます(笑)
これを図に現すとこんな感じです↓


よ〜し、T市役所では 梁田長蔵さんの戸籍を申請します!
T市役所!

…しかしなんとT市役所に行ってみますと、長蔵さんの戸籍はT市にはなく(梁田家が秋田県から来道した時には長松さんは亡くなっており、梁田長一郎さんという長松さんの兄の戸籍にはいって長松さんの奥さん チヨノさんが来道したそうです)

この段階で藤子さんが申請できるのは 梁田長一郎さんの改正原戸籍だということだったので申請してみました!


あぁ… なるほど 梁田長一郎さん という方はもともと秋田県の方だったそうです!

図にするとこういう感じです^^


母方の系譜を調べていないのでまだ可能性はありますが、父方の系譜だけみれば藤子さんのルーツは東北 秋田県にありました!



CHISATO(以下、C): 藤子さん、今回このプロジェクトでルーツを調べてみてどう思いましたか?

藤子さん(以下、F): そうですね、自分の祖先 梁田長一郎さんが秋田からはじめて北海道に移住してきたのが 昭和19年 だったのを知って… たった71年しか経っていないなんて。自分は北海道にとって新参者なんだな、という気持ちがわき上がりました。

C: へぇ。そして?

F: この土地に昔から住んでいるアイヌ民族をルーツにもっているひとがうらやましくなりました。そして、「なるほどアイヌにはこの土地に対する権利があるな」という気持ちがでてきました。

C: えぇ!?うそ!それはすごい
  そういえばS町に向かっているときぐらいから、「アイヌがいいなぁ」と言っていましね。それはなんででしょうか?

F: そりゃあやっぱり、東北よりも断然北海道が好きだし。笑

C: 笑。わたしも北海道が大好きです
  藤子さんのルーツは東北 秋田県 にあるようですが(梁田長蔵さんとサノさんは秋田県の同郷の夫婦でした)、北海道で秋田県の文化や風習は習いませんね?
  もし秋田県からの移民が多いなら、秋田県のことを北海道に住む私たちも学ぶべきだという思いはでてきませんか?

F: いえ、それはまったく思いませんね(笑) このプロジェクトを通して思ったのは、やっぱり北海道に住んでいるならアイヌ民族のことを学べる環境をつくったほうがいい、アイヌの文化を押し出した方がいいってことです

C: おぉ すっごくうれしい成果です!!

F: うん、そう思いました。
  自分がどこから来たのかを知ることは、今後どうしたいかを考える第一歩ですね

C: ありがとうございました。

F: あと、ぜひ今度は自分で母方のルーツも調べてみたいです。

C: おっ そのときはまたお話しさせてください^^




藤子さんとの会話を読んで、みなさんはどのように感じましたでしょうか?
わたしは充実感に包まれました… 

このブログ記事がみなさんのこころになにかしらの影響を与えたとしたらそれだけで十分です。

ではまたお会いしましょう!スイ ウヌカアンロー!

2015年7月20日月曜日

映画ミーティング

第10回 AIPFFミーティング


みなさん、イランカラテー!

第10回映画ミーティングでみたい映画が決まりましたのでお知らせいたします^^
この作品はロスリンさんが選んでくれました〜

作品情報 氷海の伝説

「氷海の伝説」は北アメリカに住む先住民族 イヌイットの方々が作成した作品で、監督・脚本家・スタッフ・俳優… ほとんどがイヌイットだそう。作品の中でもイヌイット語が使用され、まさに「イヌイットによるイヌイット映画」…!
すごいな〜

イヌイットに代々受け継がれている伝承文化を映像化した作品で170分と長めですので、みる時は2回に分けてみれたらなと思っています。作品の概要は こちら に書かれていました!

日時は…
7月31日(金曜日)18:00〜
北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(W棟) W104教室

を予定していますが、5名以上の参加がない場合は中止にしたいと思っています。
「31日いけるよ〜」「行ってみたい〜!」「この映画おもしろそう」という方は ainu_ips_filmfest@yahoo.co.jp までご連絡ください♪


それでは〜 スイ ウヌカアンロー!



2015年7月12日日曜日

自由学校「遊」第2講目

先住民族と文化

みなさん、イランカラテー!

きょうは先月の6月26日に行われた自由学校「遊」での講義内容を ちらっとだけ紹介し、今月末の講義の告知をしますよ〜

第2講目のテーマは「アイヌ文化に触れよう」ということで、川上容子さんとロスリンさんに講義をしていただきました。
本当に… 超絶いい組み合わせであったと我ながら感動してしまいましたよ!!

最初に容子さんが「メノコプリ 女の文化」と題して、彼女のライフヒストリーとともにアイヌ料理の紹介やユカラの披露をしてくださり、次にロスリンさんが「文化の多様な側面:アイヌ『文化』を考えて」というタイトルで講演をしてくださいました。

容子さんが親しんでいる アイヌ文化 を具体的に学んだ後 ロスリンさんがそれを包括するように 文化とはなにか を考えさせる… おもしろかったですね〜^^

容子さんが発表したパワポ

容子さんのお話は いつも等身大で、アイヌ文化を身近に感じさせてくれます。
おばあさんが馬の?牛の?脳みそを食べたがったというお話とか、ムニニモ(しばれいも)がとっても臭かったというお話とか…(笑)

実際に容子さんのお家の食べ物を持ってきてくださったりして、目でも楽しませてくれて
シケペ と ト

また スマサピューカ(魔性の村)というユカも生で聞けて、いい時間を過ごせました!
ちなみにその スマサピューカ のあらすじは「複数の女性が魅惑的な英雄神ポイヤウンペを奪い合う愛憎劇であり、血沸き肉踊る武勇の話」で ものすごく情熱的で聞き応えがありますので、今回残念だけど来れなかったわ〜という方で興味のある方 聞いてみたい方はぜひ…図書館にでも行ってください!(笑)


ロスリンさんの発表はかなり学術的でしたが、とても分かりやすく説明してくれたので「なるほど〜」と思う部分が多々ありました。

「文化の変容はどこで起こったのか?」
この問いから 近代化 と 同化 の違いを明確にし

「継承活動」
に着目し アイヌの現状についても分析してくれました!

例えば 「アイヌ文化へのアクセスがどれくらい容易にできるのか?」「アイヌ文化へのアクセスは主流社会に許容されているのか?」ということを考えたとき…
北海道においてさえ アイヌ文化 は 圧倒的に【まだ】主流ではないことが分かります。

あっ… そのあとの「新参者の スープカレー でさえも主流社会に歓迎されているというのに…」という発言はおもしろかったなあ(笑)

アイヌの伝統文化 と 北海道の文化、そしてその未来を考えさせられましたね。

いや〜第1講目、第2講目ととても楽しく学ぶことができています^^わたしが好きにカリキュラムを組んだので、きっとわたしが1番楽しんでいるのだろうと思っています(笑)

ですが この連続講義でお届けしていることが 自分にとって「多くのひとに考えてもらいたいこと、知ってもらいたい事」であり 自分の問題意識の根源です。
容子さん ロスリンさん お疲れ様でした、本当にありがとうございました!

北海道の歴史、協会の概要、アイヌ文化の独自性を学習し、満を持して いよいよ7月からは政策的な分野に入っていきます…!

第3講目は「民族共生の象徴となる空間を考える」というテーマで 白老の アイヌ民族博物館から 八幡巴絵学芸員 に登壇していただきます〜^^
いやぁ 素晴らしい流れ!楽しみですね〜 八幡さんはとてもお若い方なのですが 国のアイヌ政策推進作業部会の委員でもあるんですよ。
とても素敵な方なので 今からお会いするのがとても楽しみです!

お時間のある方はぜひ お話を聞きにきてくださいね!
それでは〜 ピリカノ パイヤン♡

2015年7月8日水曜日

アイヌの主体的参画?

民族共生の象徴となる空間

みなさん、イランカラテー!

いやいやさっそくですが… みなさんは2020年までに白老町に開設される予定の「民族共生の象徴となる空間」なるものを聞いたことがあるでしょうか!

この 象徴空間 はアイヌの歴史・文化を学び伝えるナショナルセンターとして、「先住民族であるアイヌの尊厳を尊重し、アイヌ文化が直面している課題に対応しつつ、我が国が将来へ向け、多様で豊かな文化や異なる民族との共生を尊重する社会を形成するためのシンボルとなる」(内閣官房アイヌ政策推進室HPから引用)予定のものです。
下記の写真の場所が 象徴空間 の建設予定地です!


博物館ゾーンの 展示等機能、体験・交流ゾーンの 体験交流機能・文化施設周辺の公園機能を有しており、そして慰霊施設も併設される予定ですので 現在12大学に保存されている アイヌ遺骨や副葬品 を集約、遺骨の慰霊を継続的に行うことによって、過去の真の歴史を省みることができる場にもなりそうです。
ちなみに基本構想のポンチ絵(ポイント図)は こちら になります^^

これができれば アイヌに特化したはじめての 国立ミュージアム となります!
う~ん、これはきちんとした視点をもって作らなければなりませんね。

ただの 観光施設 にしてしまったり、もしくは建設後の北海道の社会に 「ここにすべてアイヌの展示を閉じ込めて、ここで見れるからほかの博物館ではアイヌについて学べなくていいよね。」という風潮ができてしまっては本末転倒。
象徴空間の設置が、ひろく「誰にとっても生きやすい社会づくりの一環」として位置づけられなければならないと個人的にはおもっています。
今日のテーマは「主体的参画」と銘打ちましたが…(笑)みなさんは以前出された この記事 お読みになりましたでしょうか?(北海道新聞 6月10日朝刊)

『アイヌ民族博物館「主体的参画」探る 
白老の象徴空間運営で推進機構と』

このタイトルにある アイヌ民族博物館 とは現在 白老町の象徴空間設置予定地にある アイヌが設立した一般財団法人で、現在博物館を含め ポロトコタン と呼ばれる施設を運営しています。(じつは先日別件で白老に行ったので、わたくしも見学してきましたよ〜(笑)) 
エントランスにあるコタンコの像 参照

一方、推進機構というのは 先週ブログでもすこし触れましたが、アイヌ文化振興・研究推進機構(アイヌ文化財団)を指しています。
この組織は 先日話題にあげた 北海道旧土人保護法 が廃止された1997年に制定された アイヌ文化振興法に基づく業務をおこなう法人として設置されたものです

アイヌ文化財団 というのは別に アイヌで組織されたもの ではありませんし、アイヌの意見を集約する機関でもありません。(会員制ではありますが、北海道に住むアイヌの声を集約し発信する役割は北海道アイヌ協会がもっています

もっといえば… このアイヌ文化財団は直接アイヌ民族のために(例えば教育や雇用、先住民族としての権利回復等)活動する団体ではなく、アイヌ文化振興法 に規定されている業務を行う法人ですので、「アイヌ文化を振興させよう」という思いであれば アイヌ民族だけでなく和人、外国人だって利用することができます。


先の新聞報道によると アイヌ文化財団 と アイヌ民族博物館 が統合し象徴空間を運営する主体になろうとしているそうです

しかしアイヌとひとことのなかにも多様性はもちろんあり、一枚岩には出来ない部分が多々あります。やはり運営には全道に住むアイヌの声を集約しうる、最大の民族組織 北海道アイヌ協会 の参画が不可欠だという声が多く聞かれます

象徴空間の設置は 北海道ウタリ協会(現、北海道アイヌ協会) アイヌ民族の国民理解促進のため以前から要望していたもので、「アイヌ政策に関する有識者懇談会」という会議の報告に書かれ、ようやく検討が開始されました。

その有識者懇談会においては 8人の構成員のうちアイヌの委員はたった1人(それもたいそう問題だと思いますが…)。その方は 北海道アイヌ協会の 加藤忠理事長 です。

この事実を鑑みても、やはり北海道アイヌ協会 の参画抜きには象徴空間の運営は考えられないのではないでしょうか。

北海道アイヌ協会抜きの「民族共生の象徴となる空間」?

牛肉抜きのすきやき のようなものです(笑)

全道のアイヌの声を汲み上げられる仕組み、全道のアイヌにとってメリットになるように… そしてひいては共生の社会づくりに貢献できるような組織にしなくては!と思うのでした〜。

ではでは、長くなってしまいましたね〜 ピリカノ パイェヤン!