2015年12月13日日曜日

映画ミーティング

第15回 映画ミーティング告知

みなさん、イランカラテ〜!

ついに映画ミーティングも15回目を迎えます!
毎月毎月…自分でも驚くぐらいちゃんとやってますねぇ(笑) 真面目だな…

来月は 1月22日(金)18:30〜 21:00くらいの間で
「折れた矢」という作品を見てみようと思います〜!


この映画の舞台は 1870年代のアリゾナです。白人たちが ネイティブアメリカンの土地を侵略した悲惨な いわゆる'開拓'時代のなかにも、平和を構築しようとするお話だそうです。
上村先生の本で紹介されていたのを思い出したので、さっそく見てみたいと思います!

場所はまだ未定なので、決まり次第またお知らせします。楽しみです〜^^


前回の第14回ミーティングでは 「クジラの島の少女」というニュージーランドの先住民族マオリに関する映画を見ました。

主人公は表紙に写っている パイケア という女の子です。
彼女は村長の家系に生まれ、母と双子の弟は彼女が生まれる時に死んでしまいます。跡継ぎの長男を楽しみにしていた祖父(その村の長)は、生き残った子どもが女の子の方であることに落胆します。

彼女の村には「パイケアという勇者がクジラにまたがり、遠くハワイキという土地からやってきた。その勇者の子孫が我々である。」という伝説があり、代々男性がその村を率いていたからです。

勇者の名前であるパイケアを受け継いだ主人公が 性別や家庭環境等の障害をのりこえ、村の指導者になるという物語でした。[下記ネタバレもあります]

最終的に パイケアが指導者として村の人たちから認められることから、ミーティングでは 「変化しない文化なんてない。では なにが残っていると その伝統 を守っていることになるのか…」という疑問が出てきました。

・どんな人間集団でも、古老の方がいつも言うのは「先祖の精神を汚さないように」ということではないか。
・大人になるとマオリの文化を捨て村から出ていってしまう親たちを見ている子供たちに、マオリ文化を継承しろと言っても難しいことが分かった。
 やはり最後のシーンのように、大人たちが真剣に、気持ちを入れて 取り組むことなしには子どもに継承されないのだろう。大切なのはアイデンティティ、気持ちの持ち方  だろう。

一方で…
「北京では新年に餃子を食べる」のような習慣が他の地域にも伝播する…というような変化が起きた場合は その地域の伝統が保持されていないと言うのか。
というような疑問も生まれ、ミーティングはなかなかカオスな状況になりました。


一定の時間をおいて、今思うことは。
「その習慣の意味」「その習慣を行う理由」が共通認識としてなければ、伝統としては継承されないのだろう ということです。


…では 重要文化財ってなんだろう、重要民俗文化財とは?伝統的工芸品はどういう位置づけなのか…というのを考えだすと頭がこんがらがりますよね。笑
「誰にとって伝統か?」主体性に疑問を持ちたくもなります。


ですが… 先日開催されたアイヌ民族文化祭で拝聴した 甲地利恵さんの講演「アイヌ音楽と出会う」のなかで 「人はなぜ歌うのか」 という疑問に対する考察がなされていました。

一考察として引用された 知里真志保さんの言葉によると「アイヌの舞踊というのは 生きるための真剣な努力」だったとか。(記憶が曖昧なので文言が間違っているかもしれませんが、このようなことを仰っていたと思います。)

そうすると以前から抱いていた なぜアイヌ古式舞踊は重要無形文化財ではなく重要無形民俗文化財なのか という疑問に対する回答の一案になるな、と考えてみたりしました。
(文化財保護法における「民俗」は生活に密着していることを指すそうなので)

なんて、ひっちゃかめっちゃか文章になってしまいましたが…
言いたいことは 次回 第15回映画ミーティングは1月22日!18:30〜ですよ!ということです。たくさんのお越しをお待ちしています。

では、またお会いしましょう。
スイ ウヌカアンロ〜!

2015年11月22日日曜日

映画ミーティング

第14回目 映画ミーティング告知

みなさん、イランカラテー

第13回映画ミーティングからだいぶ時間が経ってしまいましたね…
前回はネイティブアメリカンとラクロスを描いた映画「グローリーショット〜栄光への軌跡〜」を鑑賞しました!

この映画の主人公は カジノの展開を行うビジネスマンの ジョー・ローガン。彼は 白人とネイティブアメリカンのハーフです。しかし 彼は ネイティブアメリカン というアイデンティティを強くもっていた訳ではありませんでした。

今回居留地に戻ってきた「カジノで利潤をあげて、仲間(people)の居留地に病院をつくりたい」という思いも、仲間(people)のため というよりは「病院がなくて救えなかった自分の母親を思って」という気持ちが強かったように見えました。


先住民族をとりあげる映画は よく先住民族の文化を幻想的に描き、型にはまった先住民族像を生み出してしまう側面がありますが この映画でもそういうシーンがないわけではありませんでした。

それでもわたしがこの映画で素晴らしいと思ったのは
最後に 土地開発をやめさせて、森林を取り戻すシーン。

自分たちにとっては この森林がなによりも大切なんだ。

自分たちの仲間(people)にとって なにが一番たいせつか。自分たちの仲間(people)で残すべきものはなにかを再確認できた というところでした。考えさせられます。
 平取ダムの建設のニュースを思い出しましたよ。(参考 北海道新聞11月9日

ミーティングでは

・描かれた先住民族像がステレオタイプ的だった。
・先住民族に関する映画は 先住民族のことを紹介する、主流社会に理解させるという機能をもっていると思っていたが 「ここでは 連邦憲法は適用しない居留地だ」「他にもデベロッパーはたくさんいる」と白人ビジネスマンを一刀両断したのは驚きだった。

というような意見が出ました。
帰属意識/アイデンティティの話もしましたが、それは今回は省略します。


さ〜てさて、次回の映画ミーティングは…
12月 4日(金)18:30〜21:30ぐらい
@北海道大学メディアコミュニケーション研究棟 608室
→ S105教室
鑑賞映画 クジラ島の少女


この作品は ニュージーランドの先住民族 マオリ に関する映画です!

ネイティブアメリカンの映画を見たので Black Robe や 失われた楽園 を見たいなぁと思っていたのですが、レンタルにはなかなかありませんよね〜。
マオリ に関する映画で The Piano というおもしろそうなものを見つけたんですが、それもレンタルになくって…。

もうちょっと考えなくてはいけませんね。

でも、まずは 12月 4日!お時間のある方は 北大メディア研究棟でお会いしましょう♪

ではでは スイウヌカアンロ〜!

2015年11月9日月曜日

開拓者ではなく先駆者になろう

日ハムバナー撤去

みなさん、イランカラテー!

やぁ 連日の報道が示す 北海道日本ハムファイターズ の迅速な対応には 安心しました
(自分も間違ったことを言った時は言い訳をせずすぐ謝ろうと思いました。)

あぁ わたしたちがいることを否定してる訳じゃなかったんだよね、と ほっとしたというのが素直な気持ちです。


これを ただの言葉狩り にしないため/させないためにも やはり私たちは 北海道の歴史をしっかりと振り返り 今の社会がどのように構成されているかを把握しなければならないと思うのです。思考の基盤や前提が安定していなければ 話し合いがスムーズにいきません。



ファイターズのプレスリリースを見ると 今後も歴史的認識を深め、経緯をもって発展的な関係構築に努める と書かれていますね。

それでこそ 北海道に根を張る企業 だと本当に嬉しく思いました。

分からなければ 一緒に学んで行くしかありません。

そうです、今一番皆さんに伝えたいのは これです。

これからは私たちとともに、開拓者ではなく…
誰もが生きやすい 多民族多文化共生の社会
切り開く先駆者となりましょう!

ということです

…なぁんて、ちょっとかっこつけすぎましたかね?!

笑 まぁまぁ 今日はおいしい日本ハムのハムでも食べてゆっくり休みましょう^^

では スイ ウヌカアンロ〜!

2015年11月8日日曜日

今書かずにいつ書くんだ

日ハムの広告「開拓者の大地」


みなさん、イランカラテー!

昨日からネット上でも話題になっていますね、新千歳空港のセンターホールに掲げられている 4つの北海道日本ハムの巨大バナー広告のうちのひとつ… 栗山英樹監督の写真が載っているものキャッチコピーが問題となっています。


北海道は開拓地の大地だ


北海道の大地は もともとアイヌ民族の大地ですし、明治以降 北海道開拓(自身の修士論文の中では「北海道侵略」と表記しました)が本格化するまでは アイヌ民族以外の人間は 渡島の一部にしか住んでいませんでした。
北海道の植民地としての性質が変容するのは戦後。つまり北海道で他の都道府県と同等の自治が実施されたのは たったの68年前のお話です。詳しくは こちら

まぁ…公教育では 本州の歴史しか学ばせない、と言っても過言ではないので この北海道における歴史的事実を理解している方は少ないかもしれませんね。それも問題ですが。


土地を奪われた アイヌ という人間集団がいるのに「開拓者の大地」という表現は、政治的正義を欠いています。

アメリカ人の前で「アメリカは開拓者の国」と言えますか?
台湾人の前で「台湾は開拓者の島」と言えますか?
オーストラリアで「オーストラリアは開拓者の島」と言える?


栗山監督は札幌大学のウレシパクラブでアイヌ伝統文化を一緒に体験したり、2014年のチームスローガンにも「前進せよ、トゥミコロクル」というアイヌ語を採用し…

北海道にはアイヌ民族の存在が 地名、食べ物、生き物の名前という形で自然に息づいており アイヌ語のスローガンを掲げることで原点に立ち返ることを示す、とまでおっしゃってくれた監督です。[参考 北海道日本ハムファイターズ ニュース]


なので いまや道民に愛されているファイターズを過度に責めたり、ましてや栗山監督を批判するようなことはしたくありませんが、このアイヌ軽視ととれるキャッチコピーは実に悲しい表現です。
北海道アイヌ協会 副理事長の「アイヌが見たら泣きたくなる」という言葉、まさにその通りだと思います。自分も悲しいですが,先祖が見たらどう思うか…。

先住民族アイヌが住む 北海道 を本当に愛し、この北海道で続けて行きたいと考えているなら 即刻取り下げてほしいものです。

お互いにとってプラスにはならないです。ぜひお互いを尊重し、理想の北海道を作っていきましょうよ!!!


歴史を… もちろん歴史だけでなくどんな社会問題、グローバルイッシューでも ひとつの視点からしか見えないようでは 国際化 には対応できません。多角的に物事を考えられるようになってはじめて、誰もが生きやすい社会の実現に一歩近づくのです。[参考]


では これで終わりにしましょう。スイ ウヌカアンロー




………
この問題に関して アイヌ民族最大の組織北海道アイヌ協会が配慮を求める文書を送る予定だというような新聞報道がありましたね。いいと思います、それでこそ 先住民族団体。
社会に届かないアイヌ個人の声を代弁するのが 北海道アイヌ協会の仕事でしょうから。

それに対して「本物/純血のアイヌが抗議するならいいけど」というような表現のコメントをインターネット上で2、3見たのでそれに対して 意見を書いておこうと思います。

こんなに 「自分はだれか」「自分は自分たちは何者か」ということを一切考えたことがない人が書いたなと 分かるコメントはありませんよね。

じゃあ 純血の日本人って誰ですか?本物の日本人ってなんですか?
本物の台湾人って誰ですか?純血のアメリカ人って誰ですか?オバマ大統領ですか?それともケネディ家ですか?

フィンランド・スウェーデン・ノルウェー、ロシアなどにまたがる先住民族 サーミ は遺伝子や血統からみると、主流社会の人々と変わりません。

では その地域の人々を 複数の人間集団に分けている指標はなにか?

最も大切なのは 彼らが どの人間集団に属したいか というアイデンティティでしょう!

なぜそのことに気付けないのか。 
本物とか偽物とか、純血とか混血とか何様なんでしょう。

自分は何者で、歴史をどの角度から見るのかもっと 今の社会がどのように作られたかを振り返り、正義とはなにかを 多角的に国際的な目線をもって考えてほしいです。

それに加えて! この問題に抗議するのに なぜアイヌだけが抗議する と考えるのでしょうか?和人が抗議したって、外国人が抗議したって、宇宙人が抗議したって不思議だと思いませんよ。


もっと 誰にとっても生きやすい社会 になるように頭を働かせたらどうでしょうね。なぁんて、ちょっと嫌な気分になったのでこんなことも別記してみました。

…………

2015年11月4日水曜日

映画ミーティング報告&告知

第12回 映画ミーティング報告


みなさん、イランカラテー

2回に分けて鑑賞した「氷海の伝説」。すこし長かったですが、非常におもしろい映画でした!内容ももちろんのこと、これまで一度も聞いたことのなかったイヌイット語を3時間も聞いたので、新鮮な感じがしました^^


この映画は 村の外れに住んでいたアマグアック(兄)とアタナグユアト(弟)の兄弟のお話でした。主人公は弟のアタナグユアトです。
原題の ' the fast runner ' でも分かる通り、この作品はイヌイットに伝わる 足の速い人伝説 に基づいているようです。

左 アタナグユアト 右 アマグアック:参考

弟のアタナグユアトは村長の息子 オキの許嫁 アートゥワ と恋に落ちてしまい、決闘をすることになりました。この決闘というのは… 村のみんなが見ている前での殴り合い!

オキはそれはもう乱暴者で血の気の多い男なのですが、なんとアタナグユアトは決闘に勝利し 見事アートゥワを妻にします。



これで アタナグユアトはオキの恨みを買うのですが、なんとひょんなことからオキの妹を2番目の妻にします。その妹もわがままな娘で… 兄のアマグアックと不倫してしまい、一家崩壊を引き起こします。笑

アタナグユアトが「よくも不倫したな!」と怒りを爆発させると…オキの妹は「こんなはずじゃなかった!怒るなんてひどい!」と出戻り、自分の兄に 旦那と旦那の兄貴の殺害を依頼します。ひえ〜

兄のアマグアックは即死してしまいますが、間一髪アタナグユアトはそれを回避し なんと…!裸で逃げ出します。それがDVDのパッケージ写真になっていますね。

遠くの村で力を蓄えたアタナグユアトが しばらくして元の村に戻り、オキ一味を退治する というのがざっくりしたあらすじでした〜!



この映画の見所はやはり アタナグユアトが走って逃げるシーンでしょうね。もう壮快!笑

なんでしょうね。ステレオタイプとは真逆。登場人物が生き生き描かれていて、イヌイットの社会における 妬みや嫉妬、暴力、純愛…といった どの人間集団にでもありうる日常を身近に感じました。

ミーティングでは…

・先住民族が自身を描いた作品なので 先住民族の文化を過度に美化したり神秘的なものとはしていない点がいいと思った。

・決闘が親族の前で行われていることが、コミュニティのつながりをよく示している。現代社会ではありえない。

・「自分はどこの誰の息子」と言って、コミュニティに理解されているのは いまのアイヌ社会でもよくあることだ。

というような意見がありました。

また今日は書きませんが「文化の復興は個人レベルの活動が先か、政策を推し進めるのが先か」 というようなディスカッションもしました。
集まってくださったみなさん、本当に楽しかったですよ!ありがとうございました^^


さてさて 11月の映画ミーティングの告知です^^



第13回目を迎える今回の映画ミーティングでは ネイティブアメリカン の映画を鑑賞しようと思います!

11月6日(金) 18:30 ~ 21:00
@北海道大学メディアコミュニケーション研究棟 608室
鑑賞映画 グローリーショット~栄光への軌跡~

この作品は ネイティブアメリカンの高校生がラクロスという 'ネイティブアメリカンが神から与えられたスポーツ' を通して成長するストーリーだそうなので、見終わった後 みなさんと 「アイデンティティ」とはなにか  について話し合えたらと思っています^^

お申し込み不要ですので、お時間あればぜひ遊びにきてくださいね♪

では、スイウヌカアンロ〜!


2015年10月23日金曜日

映画ミーティング告知

第13回 映画ミーティング 告知


みなさん、イランカラテー!

第13回 映画ミーティングのリマインドです。本日 18:30より 北海道大学メディアコミュニケーション研修棟105号室で行います*\(^o^)/* 前回と同じ教室です。

 

10月23日(金) 18:30 ~ 21:00くらい
@北海道大学メディアコミュニケーション研究棟 105室
鑑賞映画 氷海の伝説(120分~)
 
9月の映画ミーティングでも 氷海の伝説 を鑑賞しましたが、約170分と長編でしたので 2回に分けてみています。本日は120分以降を鑑賞いたします。
 
はじめていらっしゃる方は、自宅で120分まで見てきてくださいね^^笑



いやぁ 電影社も設立1周年を迎えました... わ〜〜早い...!(◎_◎;)

いまは時間もないので多くを語れませんが、今日のミーティングで皆様にお会いできるのを楽しみにしておりますよ!

ではでは スイ ウヌカアンロー!










2015年10月20日火曜日

誰の歴史か、誰の大地か、誰の街なのか

祝 様似町アポイ岳 世界ジオパーク認定

みなさん、イランカラテー!

今日はず〜っと書きたくて暖めておいた記事を書いてみようと思っています!^^

 もう先月になってしまいましたが、9月19日に 様似町にあるアポイ岳が世界ジオパーク(地質遺産)に認定された!というのはご存知でしたでしょうか。北海道新聞 9月21日の 朝刊 にも書かれています。
いやぁ めでたい!おめでとうございます^^ 様似町に行きたくなるニュースですね♪

まず ジオパーク とはなにか? あまり聞き慣れないですよね。
ジオパークとは ジオ(地球)に関わるさまざまな自然遺産、たとえば、地層・岩石・地形・火山・断層などを含む自然豊かな「公園」のこと を指すそうです。

そして
山や川をよく見て、その成り立ちに気付くことに始まり、生態系や人々の暮らしとのかかわりまでをつなげて考える場所です。足元の岩石から頭上の宇宙まで、数十億年の過去から未来まで、海や山の大自然からそこに暮らす生き物と人々までを一つにして考える。つまり地球を丸ごと考える場所、それがジオパークです。
と日本ジオパークネットワークのホームページに書かれておりました!


例えば、上の写真の洞爺湖 有珠山もジオパークに認定されているそうです。道内で育った方は「小学校の遠足などで行ったなぁ」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。


そして今回 アポイ岳が認定を受けた 世界ジオパークというのは 日本ジオパーク の上!

日本ジオパークのなかでも(人材や環境面等において)高い質をもつジオパークが 世界ジオパーク として認定を受けることが出来るそうです。



先月、アポイ岳が世界ジオパークに認定され これで国内では8カ所目。

アポイ岳は、プレート同士の衝突によって地下数10kmのマントルから地表にもたらされたカンラン岩でできた山で、アポイ岳のカンラン岩には、マグマができる様子が記録されている。また、カンラン岩特有の植生も見どころ(引用:日本ジオパーク委員会)だそうなので、後世に伝えるためにも 正しく理解され保っていってほしいと思います。

さて ここからが、おもしろい話です。
アポイ岳は  2013年にも日本ジオパーク委員会に世界ジオパーク候補となるための申請を行ったそうですが、なんとこの1回目の申請は失敗。今年が2度目のチャレンジだったそうです。

2年前の敗因は?
上にもリンクを貼りました 道新 の記事によると「ただ、世界ジオパークを目指す13年の国内推薦では『説明が専門的すぎ難解』として落選した。」とのことですが…
これだけが原因なら、わたしはこんな記事書いていませんからね!

取材できなかったのか、あえて書かなかったのかは分かりませんが 日本ジオパーク委員会が出した 世界ジオパークネットワークへの加盟推薦可否に関する資料 には2つの理由が書かれています。

ひとつは ①看板等の説明が難解だということ。そして もうひとつは ②ジオパークを構成する先住民族 アイヌの文化の関わりが薄い ということです。

原文引用:この地域の地学的見どころを植生などと結びつけるなどしてわかりやすく語り切れていないこと、地形や先住民文化(アイヌ文化)などの、 地質と植生以外のジオパークの構成要素についての調査研究の実績とジオパークとしての活用が不 十分であり、より一層の努力が求められる。 

そして今年はどうしたか、というと 地元の様似アイヌ協会や保存会の協力を得て、アイヌ文化やアイヌの歴史をアピールする機会を追加したそうです!

昨日のブログにも書きましたが、北海道に和人が定住したのはそんなに昔々の話ではありません。なにか世界と対等になろう、世界基準に照らそうと思うなら やはり内なる国際化、植民地主義の反省は不可欠なのです。

そして今回の事例は 世界基準達成を成し遂げるためには先住民族の参画が不可欠 ということを伝える最高の事例だったのに、新聞にはあまり取り上げられることはありませんでした。ちぇっ!


そしてまたこんなものも見つけました!

札幌のガイドブック 「札幌でしかできない50のこと」

これは、札幌市及び北海道大学観光学高等研究センターも参加する「さっぽろ観光創造研究会」とタイムアウト東京が共同で作成したもので、札幌市の職員や、北海道大学の教員やスタッフ、生徒、留学生らが地元目線で厳選した観光スポットやレストラン、ショップなど50ヶ所を、タイムアウト独自の「TODO(=そこでしかできないこと)形式」で紹介している(引用 タイムアウト東京ブログ)そうですが…

この50個のTO DOのなかにアイヌに関する記述はひとつもありません。

東京の人がこのことに気付けないのは仕方ないとしても、札幌市はこの事実を認識した方がいいと思いますけど……… 上田市長の後を継ぐ秋元市長には期待していますよ!

アイヌ民族が 様似町を、札幌を…そして北海道を構成する重要な要素のひとつであることを道民みんなが 常識として考えられる、そんな日が来るのを信じて今日のブログを終わりにしたいと思います。

ふぅ…長くなってしまいましたね。ではスイ ウヌカアンロー!

伝統的工芸品

二風谷アットウシと二風谷イタ

みなさん、イランカラテ〜!

ひさしぶりのブログ更新となっていました。
最近はおもしろいことを経験する機会がたくさんあって、楽しく学びながらも自身の成長を日々感じております^^ みなさんは元気におすごしでしたでしょうか?


先日お伝えした アイヌ総合センターでの木彫講座 にちなんで、今日は北海道から初めて「伝統的工芸品」に認定された 二風谷アットゥシ二風谷イタをご紹介したいと思います!

まず… 「伝統的工芸品ってなぁに?」という方、もちろんいらっしゃいますよね!(笑)

経済産業省のHPによりますと「経済産業大臣が認定した工芸品」であり、認定されるには

① 主として日常生活の用に供されるものであること。
② その製造過程の主要部分が手工業的であること。
③ 伝統的な技術又は技法により製造されるものであること。
④ 伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること。
⑤ 一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること。日本人の生活に密着し、日常生活で使用されるもの。 (注)具体的には、100年以上の歴史を有していること。  


という条件があるそうです
参考 経済産業省スライド

 そして経済産業大臣に認定されると… こぉんなマークがもらえて 国際的な日本の物産展に出店できたり、伝承者育成や資格認定等いろいろ手厚く保護される可能性があるようでした!詳しくは このスライド を参照してみてください。

登録工芸品の数が一番多い都道府県はやはり 京都府 でした!西陣織や京友禅、京人形など… 京都 素敵ですよね〜。他にも 各県ご当地の工芸品が登録されているそうです。

寄木細工の箱ほしい〜♡!


昭和50年代につくられた制度のようですが、最後の⑤の要件 とくに 「100年以上の歴史」という要件から 和風な北海道の品 という工芸品ははじかれてしまいますからね。
ずっと長い間 46都道府県のうち 北海道からだけ 伝統的工芸品 の登録はありませんでした。


そして 平成25年に初めて 北海道から認定された 伝統的工芸品 というのが 二風谷アットウシ と 二風谷イタ という訳です!^^お〜 すごくないですか??

それが こちら です

アットゥ というのは オヒョウ等の樹皮の内皮からつくった糸を用いて織られた反物のことです。それをつかったつくった着物もあるんですよ〜。


そして イタ とは木製の平たいお盆のことで、表明にきれいに木彫が施されています!


この木彫、とっても素敵じゃないですか〜?^^♡
明日の木彫の授業でコースターを作るそうなので、このぐらいかっこいものを作れるように 先生に習ってこようと思います!笑

北海道の観光に来る方は お土産にも最適だと思います!
ぜひ購入の際には 「伝統マーク」見てみてくださいね。



これは少し余談ですが… 北海道はまだ 二風谷アットウシ と 二風谷イタ しか伝統工芸品に認定されていません。

ですが この画像を見てみてください。

わたしは仏教にまったく詳しくはないのですが、地域によって全然違うんですね。
伝統工芸品に認定されている218品のうち、なんとそのうち15品が仏壇だそうです。びっくり〜〜。

名古屋仏壇とか金沢仏壇に大阪仏壇、広島仏壇って… どんな風に違うのか。調べたらおもしろいんでしょうね。(ちょうど月9もお坊さんのお話ですし、調べてみようかな!笑)


これを見て思ったのは、北海道の アイヌの地域多様性も押し出されるようになれば 二風谷だけでなく他の地域からもアイヌ伝統の工芸品が将来どんどん登録されるかもしれないな〜ということでした^^


いやいや、それではまた近いうちにブログでお会いしましょう!
スイ ウヌカアンロー

木彫の講座がんばってきます☆

2015年9月30日水曜日

アイヌ文化

イクパスイをつくってみませんか?


みなさん、イランカラテー!

今日は 北海道立アイヌ総合センター(かでる2・7ビル)でおもしろそうな教室が開かれるそうなので、お知らせしようと思います。



なんと、たったの2000円でアイヌの伝統的な木彫り技術を学べるそうですよ~^^
10月中旬からの全12回の講座のようです!(が、聞いたところによると がっちがちのスクールじゃないので自分のペースで参加できるそうです。笑)

ちなみにイクパスイとはこちらの祭具でございます。↓

イクパスイは男性がつくるものだったそうで、女性の参加者はまた違うものをつくることになるのかな?

「木彫りしてみたいよ~」、「なんかアイヌ文化に触れてみようかな!」という方は、受講してみてはいかがでしょう♪わたしも友人を誘って参加しようか検討中です!

初めての方も大丈夫!!

締め切りは10月9日(金)だそうです!お早目にお申し込みください。

ではでは、スイ ウヌカアンロー!


2015年9月26日土曜日

using every possible means

アイヌ入門講座


みなさん、イランカラテー!

いつもより振り返り記事を出すのが早いですが…(笑)
昨日の上村英明先生を迎えての講座で、5月から開講していた自由学校「遊」さんでの連続講座が無事終了いたしました。

忙しい最中、札幌まで飛んで来て講座をしてくださった 上村先生には感謝、感謝です。
「自費でだって行くよ」と言ってくれたこととっても嬉しかったです。


2月ごろだったでしょうか〜「自由学校「遊」でアイヌに関する講座を企画しないか」 と事務局の小泉さんに話をいただいて、講座のコーディネート作業だけでなく ひとつひとつの講座に参加することが自分にとって本当に勉強、そして刺激になりました。
講座に参加してくださった方々と一緒に考え、視野を広げていくことが出来たと思っていますよ

5月の「アイヌ協会ってどんな組織?」では 阿部一司副理事長に北海道アイヌ協会の設立/活動経緯を、光野智子さんに 札幌アイヌ協会の活動内容を説明してもらい…


6月の「アイヌ文化に触れよう」では、川上容子さんにアイヌ文化の紹介を、ロスリン・アンさんに「先住民族と文化」の関係性について講演をしてもらいましたね。
容子さんの講義、新鮮でおもしろかったなぁ。もうロスリンサんはNYに帰国してしまいましたが、元気で過ごしているのかな?

7月にはアイヌ民族博物館から八幡巴絵さんをお招きし「象徴空間」についてお話をしてもらいました。白老からわざわざ来てくれて、本当にありがとうございました。
八幡さんの熱い思いが伝わった夜でしたね。

8月はわたしが登壇し「先住民族政策とはなにか」について話し、呉松旆くんには「台湾原住民族のアイデンティティ形成」について話してもらいました。(はっ…自分の回の振り返りを忘れていました…)
若い方も含め予想以上に多くの方が来てくれて、驚嘆したと同時に 自分の出来る限り、精一杯の力で発表できたのではと思っています。

海外の事例を取り入れながら、鵡川・平取・帯広・白老・札幌とひろい地域からアイヌの登壇者を選び フロアからの質問の時間も多くとるように心がけて…
短いながらも濃い講座に出来たと自負しています^^


そして昨日の最終回は「アイヌ問題?!アイヌを学ぶ理由 -戦後70年と植民地を考える視点から見えて来るもの-」というテーマで、私が最も尊敬し 影響を受けた 上村先生 に講演していただきました。

やっぱり なぜアイヌについて学ぶのか なぜそれが重要なのか を一度整理しないことには、根っこがなく 上辺だけの知識になってしまいますからね。発展もしないし(←これ本当に心から思っています)。

なので最後にフレームワーク(思考の枠組みの整理)は絶対にしたかったのです。


上村先生が説明してくださったのは大きく分けて3つです。
① 植民地主義 ② 自己決定権 ③ 「自己決定権」の行使とその実例である森林認証制度

「先住民族」という概念が民族概念ではなく政治的概念である ということは私が先月の講座で説明したところではありますが…

「アイヌが先住民族にさせられてしまった経緯」「大日本帝国の帝国主義・植民地主義への反省」を考察し、脱植民地化するための手段としての「先住民族がもつ民族/人民自決権」の内容についてお話ししてくれました。
私はこのことが先住民族の運動を展開する上で最も重要だと思っています。この基盤がしっかりしていないと 将来どうすればいいのか未来が見えてきません。

GHQスウィング少将の独立打診からFPIC原則、ベルリン五輪まで盛りだくさんの内容だったので、受講された方も「すごい!」と感動したのではないでしょうか!!
国連人権理事会での翁長知事のスピーチ、沖縄の話まで絡めて聞けて、最高に面白かったですね!
森林認証については 以前の紹介ブログがあったので、 こちら にリンクを貼っておきます

う〜ん!最後まで充実した講座でした。こんな経験はなかなかできない。自分は幸せ者です!

そして受講してくださった方に少しでも「自分はいったい何者なんだ」「北海道ってどんな島なんだ」ということを考えるきっかけを与えることが出来たならば 大成功です。

自由学校「遊」さん、登壇してくださった方々そして受講してくださったすべての皆様に感謝です。本当にありがとうございました!イヤイライケレー!





…って、終わりそうでしたが!講座後の先生との会話のなかで 心に残ったやりとりがあるので ひとつだけ書き残します。(笑)

わたしが 
「いま沖縄では 翁長知事のように強いリーダーシップをもった政治家が、琉球のために復権運動を展開している。 しかしふと北海道を振り返ってみると、未だに知事は道外の人間で、アイヌ民族の権利は一向に達成されない/保障されていないが 北海道知事が表立ってそれを主張することはありえない。
これまでいろんな方の助けをもらいながら野村元理事長初め北海道アイヌ協会こそが努力して実現した 国連宣言/民族自決権も沖縄にとられてしまうのか」と自己中心的で子どもっぽい愚痴をこばしたところ…

先生は「まず 権利はあるものだからとられる/とられないの問題ではないよ」と…(笑)
そして加えて「国連宣言可決のために努力したとしても、その権利獲得のために主張を続けないとだめだ。棚からぽんとおちてくるものじゃない」と言ってくださいました。

あぁ…ごもっともです。
もっと勉強して「自分にはどんな権利/未来があるのか」を知り、それを発信し続けていかなくてはと思いました。アイヌには 自分たちにどんな権利があるか 道民には どんな未来を創造できるか 伝え、それを実現できるようになりたい…なぁ と思ったのでした。

これで本当に終わりにします。

またお会いしましょう^^ スイ ウヌカアンロー!